平成31年度 入学式式辞 新入生の皆さん、そして本日まで手塩にかけて育まれた保護者の皆様、ご入学誠におめでとうございます。 またお忙しい中、秩父市長久喜邦康様を始め多くの御来賓方々にも御臨席賜り誠に有難うございます。
今年は天皇陛下の御譲位、皇太子殿下の御即位、そして改元の年であります。この特別な年にこうして第二十二回新入生の皆さんを迎えることができましたことを大変嬉しく思います。我が国が新しい時代を迎えようとしているこの好機に、本校も皆さんと一緒に新しい時代を築いていきたいと学校関係者一同期待を寄せております。
新入生の皆さんは、自分達の将来の職業として看護職を選んで下さいました。そしてさらに嬉しいことには、その第一歩として本校を選んで下さいました。若い皆さん達の大切な時期を本校でお預かりすることを考えますと、私達はとても嬉しい反面その責任の重さに身の引き締まる思いでおります。
私が目指している本校の姿は「地域に密着した看護学校」です。入学してすぐに始まる講義や秋から始まる実習を受けて頂ければわかりますが、皆さんの講義には本校の教務の先生方に加え、地元の看護師や医師会の開業医が当たっています。また実習の多くは医師会員の病院や医院、また施設で行われます。そして在学中には様々なイベントに参加したり、ボランティア活動にも協力して頂くことになります。そうした場を通じて、皆さんは一年生の早いうちから地元の医療関係者の一員として市民に認識されるようになります。市民は皆さん達のことを看護師の卵として、親しみを込めて「看護学生さん」と呼んでいます。地元出身の皆さんは、本校で改めて秩父の医療の現状を勉強し、ふるさと秩父に対して、また家族や友達に対して自分が何をできるのかをじっくり考えて頂きたいと思います。また今年の新入生には秩父以外の出身者もいます。皆さんは本校で勉強する三年間で秩父を感じ、秩父を楽しんで、是非秩父を第二のふるさとと思えるようになって欲しいと思います。
本校の歴史は、戦争真只中の昭和十五年に創設された「秩父産婆看護婦学校」に始まります。そして戦後の高度成長期、昭和二十八年には「秩父准看護婦学校」に引き継がれ、時代の需要により平成十年に現在の「秩父看護専門学校」へと移行しました。皆さんは本校の前身である二つの学校の長い歴史を合わせた八十年の上に立っているということになります。
一つの地域でこのように長く看護教育の歴史が紡がれてきたということは、日本全国を見ても非常に稀なことと言えます。これからやってくる「令和」という時代が、戦争や災害のない平和な時代になってくれることを切に願っています。
最後になりますが、皆さんに是非知っておいて頂きたいことがあります。学校の運営についてです 本校は「秩父郡市医師会」と「秩父市」「秩父郡内四町」そして「埼玉県」から多くの補助金を頂いています。本日御臨席の久喜市長および関係各位には、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。
つまり皆さんの教育は地元の強力なバックアップがあって成り立っています。是非、皆さんには秩父の地域医療に興味を持ち関心を寄せて頂きたいと思っております。
看護の勉強は厳しいものです。保護者の皆様には日本の将来の看護を担う若い学生達を励まし、その成長を温かく見守って頂けますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
平成三十一年四月三日
秩父看護専門学校 校長 井上 靖
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